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.政治  投稿日:2020/1/4

「野党合流前に自ら整理整頓を」政治ジャーナリスト角谷浩一氏


細川珠生(政治ジャーナリスト)

「細川珠生のモーニングトーク」2019年12月28日放送

Japan In-depth編集部(油井彩姫)

【まとめ】

・老後に二千万円貯蓄必要とのデータに、国民の間に懸念広がる。

・来年の都知事選は小池氏の立場等複雑な部分が多く不透明である。

・野党の力不足が著しいが、国民に選ばれた自覚を持ってほしい。

 

今回のゲストは政治ジャーナリストの角谷浩一氏。今年最後の放送ということで、この一年の政治について振り返った。2019年は、平成31年から令和元年への代替わりもあり、政治に限って見るとどのような一年であったのか、政治ジャーナリストの細川珠生が問うた。

角谷氏は、前半は代替わりのための国家行事が続き、かなり政治日程が縛られることで、国会の会期に延長が事実上ない前提で物事が進んだ、と述べた。また、今年の中盤、老後に二千万円必要だ、というデータが出てきて、国民が大騒ぎになった事に触れ、「(国民の多くは)年金だけでは生きていけないことに気づいてはいたものの、『二千万円足りない』という一つの指針が出たことで、年配の方をはじめとして国民は心配になった。政府は火消でその答申自体なかったことにし、参議院選挙には影響がなかったように思われているが、国民は忘れないだろう。」と述べ、影響は少なからずある、との考えを示した。

来年は都知事選もある。細川氏は、衆議院選挙のタイミング、またそもそもこの都知事選にもし小池都知事が再選を目指して出馬することになった場合の対抗馬を自民党は立てられるのか、自民党の力がはかられるだろうと述べた。

▲写真 ⒸJapan In-depth

これに対し角谷氏は、小池都知事は二階幹事長には支持されているが、自民党都連や自民党全体からは評判がよくない状況にある事を指摘。「小池氏は自分で離党の進退伺を当時の谷垣幹事長に出したが、まだ処理されていないまま谷垣氏が怪我で退き二階氏が就任した。あのペーパーはどこへいってしまったのか、そもそも小池氏は党員なのか党員でないのかという問題が出てきている。」と述べ、これまでうやむやになってきた小池氏の自民党における身分が取りざたされる可能性を示唆した。

また、「現在公明党都連は小池知事と密であり、小池氏を推すだろうが、すると都議会で自民党と袂を分かつことになる。同時にもし衆議院選挙と都知事選がW選挙にでもなれば、公明党は大混乱に陥るだろう。」と述べ、都知事選で混乱が予想されるとの考えを示した。

角谷氏は、2020年4月の予算成立後か、またはオリンピック後までは現実的に解散はない、と予測した。また、それまでに自民党も野党も、今の小池氏に対抗できる候補を見つけられるかどうかは疑問で、現実的には小池氏再選の可能性があるとの考えを示した。

更に角谷氏はカジノ問題に触れ、小池氏が、この問題に一切与しないとの立場をとるのか、意欲を示すのか、どちらかの選択を迫られるだろうと述べた。

次に細川氏は、今年一年は野党の存在感が薄く、何をしていたのか分からないかった、と述べ、野党勢力は来年どうなっていくのか、角谷氏に聞いた。

角谷氏は、今年の参議院選挙でも野党統一候補を立てられたところ、統一候補にはならなかったが、野党候補が一人立ったところなど色々あったと述べたうえで、善戦したとはいえ、まだまだ力不足は否めないとの考えを示した。また、「覚悟を早く決めたところの方が浸透度が高かった。参議院選挙に向けて準備が間に合わなかったのは、体たらく以外の何ものでもない」と述べた。

また、立憲民主党と国民民主党は政策のレベルではなくて、ただの感情論であると述べ、「好きか嫌いか、許すか許さないか、そういうレベル。それは民主党時代から絶えず起きていた。政党というレベルにもなっていない。」と、強く批判した。

さらに、「選挙後はまとまらなきゃ、と反省するが、選挙前にはまた忘れてしまう。参議院選挙でも、つばぜり合いをやっていた政党間の関係が裏では随分色々な選挙協力が行われていた。選挙の時だけ一生懸命やる、という姿勢に対して、もうあてにできないな、という思いがある。」と野党の姿勢を批判した。

また現在進行中の合併騒動については、「仮に合併したとしても、そのあと、社民党はどうする、人事はどうする、共産党とはどう付き合う、などと始まるだろう。自民党と戦う前に自分たちを整理整頓してからでないとエントリーできないというくらい厳しい目で国民は見ている。」と述べ、野党に猛省を促した。

最後に両氏は、「色んな人に自分を知ってもらうよりも、自分の小選挙区をクリア出来ればいいという人が多い。国民全体に選ばれているという自覚を持ってほしい。」との意見で一致した。

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2019年12月28日放送の要約です)

 

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php

細川珠生公式HP http://hosokawatamao.com/

細川珠生ブログ http://tamao-hosokawa.kireiblog.excite.co.jp/

トップ写真:ⒸJapan In-depth編集部


この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト

1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。

細川珠生

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