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.政治  投稿日:2020/1/7

「オリ・パラ後の景気後退に備えよ」Japan In-depth編集長 安倍宏行氏


細川珠生(政治ジャーナリスト)

「細川珠生のモーニングトーク」2020年1月4日放送

 

 

【まとめ】

・オリ・パラ後の景気後退に備え、国は中長期的経済政策進めるべき。

・安倍政権は気を引き締め、野党は政策を国民にアピールを。

・国民は内政外政に引き続き厳しい目を向け続けよ。

 

今回のモーニングトークでは、Japan In-depth編集長でジャーナリストの安倍宏行氏をゲストに招き、政治ジャーナリストの細川珠生が話を聞いた。

いよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年を迎える。訪日外国人観光客が増え、都心の混雑激化が予想されるなど様々な問題が懸念される一方で、オリンピックには景気の下支え、後押しという側面がある。安倍氏は「オリンピック・パラリンピックが終わるまでは何とか景気は持つかもしれない。しかし中国経済の失速や米中貿易摩擦の影響など、(オリンピック後の)後半の景気については心配なところがある」と述べ、今年後半の景気減速の可能性について言及した。

細川氏は中長期的な景気対策の1つとしてIRを挙げた。しかし、年末に現職の国会議員が逮捕されるという事件が発生。(IR誘致の)プロセスが遅れる可能性も出てきた。この他にもIR誘致に関しては、積極的な横浜市長が市民から反対意見が出るなど、問題は山積しているが、安倍氏は「中長期的な流れとしては、IRを誘致するという国の大きな方針は変わらないと思う。」との見方を示した。

又、増税の影響がオリンピック後に来ることが予想される。6月末にはキャッシュレスの5%消費者還元が終了する反動が来ると言われている。この対策として、国はマイナンバーカードに2万円に+5千円が付与される「マイナポイント」を発行するとしているが、安倍氏はそもそもマイナンバーカード所有者が少ないことから不公平であり「小手先の策だと思う」と指摘。それより、実質的な景気刺激策を進めることの方が重要だ、と強調した。

オリンピック・パラリンピックは都知事選や衆議院解散総選挙など、政治日程にも大きな影響を及ぼす。年末の現職の国会議員の逮捕や桜を見る会などに関する総理の説明、安倍政権全体の気の緩みは解散総選挙に影響を及ぼす。細川氏は「支持率下落の原因や、どんな点に緩みがありどう改善しなければいけないのか。オリンピックのお祭りムードとは別に、政権はしっかり気を引き締め直してほしい」と繰り返した。

安倍氏はこの「長期政権のたるみ」に触れた上で「国民が与野党の政策を比較し、今の(与党の政策の)ままでいいのか、それとも変えるべきなのか、日々考える必要がある」と述べた。

選挙の際、野党はどうしても数合わせや選挙区事情など優先しがちだ。しかし、細川氏は「安倍政権のどの点に国民は満足していないか考えて政策を出していけば、野党にもそれなりの勝ち目はあると思う」と述べた。

安倍氏は「野党も自分達はこういう政策を推進していくんだ、ということを国民にアピールしないと、有権者側は違いがわからない。(きちんとアピールをしなければ)だったら現状でいいじゃないか、となってしまう。果たしてそれで5年後、10年後、いいのか。」と野党の現状に危機感を示した。

海外に目を向けると、11月には米大統領選、4月には韓国大統領選がある。こうした国際政治の大きな動きは日本にどう影響を及ぼすのだろうか。米中の対立はイデオロギーの対立であるため今後も継続する上、朝鮮半島の核の脅威もすぐには解決しない。安倍氏は「日本がどういう外交をとっていくのか、非常に難しい舵取りが要求される」と述べた。

オリンピック・パラリンピックに浮かれ、国民的に内向きにしか関心が向かないということは多分にあるだろう。細川氏は国民に対し「色々な情報に接し、日本の外を見てほしい」と強調した。安倍氏は年末、日中韓の首相が会談したことに触れた。その際、北朝鮮に対して強いメッセージを出せなかった。確かに中国という巨大市場は無視できず、軍事力を行使できない日本はトランプ氏のように強気な態度はとれない。しかし、アメリカの同盟国であることは間違いない。安倍氏はこう述べた上で、「中国とアメリカとの間でどうバランスを取っていくのかという問題がある。日本は綱渡りのような外交を要求されていることを日本人は認識する必要がある」との考えを強調した。

細川氏によると、安倍政権の外交は高く評価されるわけではないが、いわばギリギリのところを死守してきたという。一方で国内問題においては手を付けられていない問題もある。細川氏は、「自分達の生活だけを考えがちだが、もう少し後の世代への視点を持つ必要がある」と述べた。

最後に細川氏は、「2020年はオリパラにうかれず、内政外政に引き続き厳しい目を向け続けることが重要だ。この番組では本年もこうした視点を大事に情報提供を行い、関心のきっかけをつかんで頂きたい。」と訴えた。

 

 

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2020年1月4日放送の要約です)

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php

細川珠生公式HP http://hosokawatamao.com/

細川珠生ブログ http://tamao-hosokawa.kireiblog.excite.co.jp/

 

トップ写真 ©️Japan In-depth編集部


この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト

1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。

細川珠生

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