「オールジャパンで難局を乗り越える」中山泰秀衆議院議員
細川珠生(政治ジャーナリスト)
「細川珠生モーニングトーク」2020年4月25日放送
Japan In-depth編集部(石田桃子)
【まとめ】
・自粛要請に従って緊張感を保ち、落ち着いて感染症対策に努めることが重要。
・現状は前代未聞の緊急事態。強制力を伴う命令の発令を可能にする法整備が必要。
・借金をいとわず真水の経済対策を進めるべき。
今回のゲストは、衆議院議員で自民党外交部会長・ネットメディア局長の中山泰秀氏。新型コロナウイルス感染症蔓延下の課題について、政治ジャーナリストの細川珠生が話を聞いた。
中山氏の地元・大阪は、緊急事態宣言において、4月7日発令当初からの対象地域。感染者数は今や1000人を超えている。(注1)感染症の終息に向けた課題は何か、細川氏が聞いた。
中山氏は、「個人的には、それぞれお一人お一人の、新型コロナウィルスとの戦争と言うことに対する意識、認識の違いというのが最も問題だと思う」と述べた。精神的なストレスやインターネット上を飛び交う情報によって心が揺れ動いてしまうことに理解を示しつつ、政府の自粛要請に従って緊張感を保つことが重要だとした。
続けて中山氏は、大阪府が休業要請に応じない事業者の公表を発表した際、市民から(編集部注:「要請対象の店舗が営業している」という)通報が相次いだことを紹介した。その上で、「落ち着いて、感染症対策の基本に立ち返って頂くことが重要」と述べ、手洗いうがいの徹底を挙げた。
また、2人の子どもを持つ中山氏は、「父親として、5月6日以降学校が再び始まるのか否かを含めていろいろ心配するところがある」と述べた。地域の指導者が教育現場に対してリーダーシップを発揮し、早期に決定・周知をすることを求めた。
外出・休業の自粛が徹底されない現状をどうしたらよいか細川氏が聞くと、中山氏は「緊急事態に即した法律・制度を確立すべき」だと答えた。「期間を区切ってでも構わないので命令の形で発令できるような法整備を始めるときだ」と述べた。
細川氏は、自粛要請に強制力を持たせるにあたっては、罰則や補償が必要だと指摘した。今月16日に政府が発表した、国民に対する一律10万円給付の決定について「紆余曲折を経て時間がかかった、補償に対してかなり躊躇が見られた」と述べた。
これに対して中山氏は、「今の永田町は霞ヶ関の影響受けすぎているのではないか」と述べた。その上で、新型コロナウイルス感染症が蔓延する状況を、リーマン・ショックに代表される今までの危機とは全く異なる緊急事態と位置付けた。借金をしてでも、GDPを直接押し上げる「真水」の経済対策を行って「経済とフィジカルの両面で(国民の)命を守る」べきだと主張した。
次に細川氏は、ネットメディア局長としての情報発信の戦略を聞いた。
中山氏は、「正確な一次情報をストレートにお届けするのが、緊急時の情報伝達の極意だ」と述べ、フェイクニュースの流布に対抗する姿勢を示した。政府の政策を党として発信する際には「わかりやすく解説的に国民の視点に立って届けていく」と述べた。
細川氏は、利用者の視点に立った情報発信は、手続きの方法や政策決定の過程について理解する手助けになるとして、中山氏の施策に期待感を示した。
中山氏は最後に、「この問題に対して与党も野党も関係ない。オールジャパンでこの難局を乗り越えていくことが重要」との考えを示した。さらに、「アベノマスク」への批判に触れ、「今は批判よりも建設的な意見を。前に進めていく、そして結果を出していくことが重要。一切の批判せずに、正しい方向に、国民の皆様方の命を守るために前進させていただけたらありがたい」と述べた。
(注1)大阪府の新型コロナウイルス感染者数 1666名(2020年5月3日現在)出典:大阪府
(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2020年4月25日放送の要約です)
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【訂正】2020年5月6日
本記事(初掲載日2020年5月6日)の本文中で「2016年5月25日放送」とあったのは「2020年4月25日放送」の間違いでした。お詫びして訂正いたします。本文では既に訂正してあります。
誤:(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2016年5月25日放送の要約です)
正:(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2020年4月25日放送の要約です)
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この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト
1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。