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.政治  投稿日:2021/2/21

「キーワードは『多様性』」自民党青年局長牧島かれん衆議院議員


安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)

編集長が聞く!

【まとめ】

・自民党青年局長である牧島かれん衆議院議員に話を聞いた。

・青年局では「多様性」をキーワードに活動している。

・「政策の実践集団」として、地域の課題解決に取り組む。

 

自民党に青年局という組織がある。どんな組織でどんな活動をしているのか?知らない人も多いのではないかと思い、局長に会いに行った。牧島かれん衆議院議員(神奈川17区)、その人である。

青年局は立党以来の歴史を持つ。1,327名の地方議員(令和2年現在)と22万人の青年党員がおり、学生組織まである。地域の課題の声を聞き、それに対して答えを出していく活動をしている。

活動は多岐にわたるが、最近のキーワードを牧島氏に聞くと「多様性」と返ってきた。青年局国会議員有志により、自民党の党歌「われら」に手話を付けたのだ。

各地域で手話言語条例が広まる中、手話を多くの人に身近に感じてもらうために作ったという。多様性を大切にする政策の一つとして広めていきたいとした。研修・拡大副部長の今井絵里子参議院議員が手話の解説をしている。

▲動画 党歌「われら」手話言語版練習動画 

 災害時連絡協議会

牧島氏は2016年熊本地震の時、内閣府大臣政務官(地方創生・金融・防災担当)として現地に足を運び、政府現地対策本部長として現場の対応にあたった経験がある。

その時牧島氏は、「(自治体は)それぞれの団体と災害協定を結んでいるが、横の連携が意識されていない」ことが問題だと感じたという。

避難物資を被災地に送る際、スーパー、トラック業界、建設業ら、各業界と役所の間にパイプがあっても、横の連携がないと、物資は迅速かつ効率的に届かない。そこで、JC(青年会議所)や商工会議所青年部らなどが中心となってこうした問題を解消するプラットフォームを作ることにした。

牧島氏は、「個々の団体の同世代と、1つのテーブルにつくよう声掛けをしている。3月5日頃を目指して『災害時連絡協議会』を青年局主導で作る。それを各都道府県、市区長村に降ろし、同世代のコミュニティーが作られれば、平時では地域の活性化になるし、有事の時は助け合いのプラットフォームになる」と述べた。

こうした取り組みは、災害時に自治体の負担も減ることに繋がることから、極めて重要だ。

■ 国と地方の役割分担

今、国民の最大の関心事は新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の問題であろう。連日、テレビでも取り上げられている。コロナ対策では政府に対する不満も聞こえる。そこで国政と地方政治の役割について聞いてみた。

牧島氏は、「すべてが国の責務と思われがちだが、地方自治体が関わらないと完結しないことが多い」と前置きしたうえで、コロナ対策でも

都道府県の権限、市区町村の権限で行われるべきことがある、と指摘した。

そして地方議員の役割について、「地方議会議員の役割は大きい。行政に機能するよう働きかけたり、首長にものをいったりすることが、住民のサービス向上のために必要だ」と強調した。

例えば、役所から住民に向けて出す案内が分かりやすいのかなど、チェックして指摘するのは住民から選ばれた地方議員だ、と指摘した。

まもなく、デジタル庁が発足するが、牧島氏は、「デジタル庁が出来たからと行って自治体の仕事の効率がすぐ上がるわけではない」として、「今から出来ることは各自治体でやってもらわねばならない」と述べた。

去年、国民1人当たりに10万円を支給する「特別定額給付金」のオンライン申請をめぐり、申請の受付や支払いを担う市区町村の現場が混乱したことは記憶に新しい。

国のシステムと自治体のシステムが上手く連動するようにするには、国会議員と地方議会の議員が連携を取り、共に課題解決に汗をかく必要がある。


「自治体が何が出来るか考えてもらうと、住民のストレスも減るし、役所の業務のあり方も変わると思う。デジタルネイティブ世代が申請をスマホで完結すれば、(役所の職員は)住民とコミュニケーションをはかり、向き合う時間を作ることが出来る」と述べた。

「地域課題解決に貢献できる青年局」としては以下の課題にも取り組んでいる。

・学校におけるICT化促進

・放課後児童支援員の処遇改善事業

・ゼロカーボンシティ/災害廃棄物処理

・児童虐待防止対策

・新形式学力調査

・「正しい日本地図」普及運動

どれも大切なテーマばかりだが、実際にどのような実績が上がっているのか。もっと積極的に発信してもらいたい。

▲写真 ⒸJapan In-depth編集部

■ 外交問題

青年局は、外交問題にも取り組んでいる。実は歴史的に、台湾に対する窓口になっている。牧島氏も去年、国際部長として、台湾で主催された国際シンポにオンラインでスピーカーとして参加した。

青年局として政府の外交政策にどう反映させていくのか聞くと牧島氏は、「WHOも台湾が参加できない状況は早く改善して欲しいと伝えている」と述べた。

中国とは尖閣諸島を巡る領土問題、香港民主派に対する弾圧などの人権問題など、日本政府は難しい外交・安全保障上の舵取りを迫られている。青年局の提言がどう政府の動きに繋がっていくのか大いに関心がある。

 今後の取り組み

最後に、青年局長として力を入れている分野を聞いた。

青年局は「ファーストペンギン」だという牧島氏。「どんな改革の荒波でもまずは最初に飛び込む勇気を持つべきだ」と述べた。青年局のロゴはまさにその思いをビジュアライズしている。

▲図 自民党青年局ロゴ 出典:自民党青年局Twitter@seinenkyoku

今後青年局はどのような存在になりたいのかも聞いた。

牧島氏は、「『青年局がいるから自民党は大丈夫、安心だ』と思ってもらえる存在になりたい」と述べた。

「記者会見している先輩の顔を思い浮かべられることが多いと思うが、自民党にも多様性があると分かってもらいたい」

さらに、「これから5年後10年後、その先の未来の地域や国を作っていくんだという自負を持って活動している。未来への投資という意味で、『彼らを信じて任せてみよう』と思って貰えるような活動をしなければならない」と決意を示した。

その為に、地域の課題を解決する政策立案を行う、「政策の実践集団」として実働を担わないと「地域の住民の信託は得られない」とした。

今年は衆議院議員選挙の年でもある。牧島氏は、「選挙に強い青年局でありたい」と述べるとともに、「人材のプールとしての役割を果たす。次の世代と学びながら育てていく」と人材育成を積極的に進める考えを示した。

自民党の若手議員の活動はなかなか国民に伝わっていないとかねがね思っている。大手メディアが与党幹部を中心に取材する、いわゆる「政局報道」が中心だからだろう。政局は取材する方も、聞く方も面白い。それは否定しないが、それだけでいいのか。我々の選んだ議員がどのような問題意識を持ち、どのような法律を作ろうとしているのか、国民も無関心にすぎる。

自民党の中の「多様性」がどのようなものなのか。実際に自民党は変わっていくのかどうか。それを見届け得るのは私たちの責務だろう。

トップ写真:ⒸJapan In-depth編集部




この記事を書いた人
安倍宏行ジャーナリスト/元・フジテレビ報道局 解説委員

1955年東京生まれ。ジャーナリスト、産業能率大学客員教授。慶応義塾大学経済学部、国際大学大学院卒。


1979年日産自動車入社。海外輸出・事業計画等。


1992年フジテレビ入社。総理官邸等政治経済キャップ、NY支局長、経済部長、ニュースジャパンキャスター、解説委員、BSフジプライムニュース解説キャスター。


2013年ウェブメディア“Japan in-depth”創刊。危機管理コンサルタント、ブランディングコンサルタント。

安倍宏行

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