「自民党総裁誰がふさわしい?」に高市早苗氏
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
【まとめ】
・「誰が総裁にふさわしいか?」アンケート、1番は高市早苗前総務相、菅首相は3番目、岸田文雄前政調会長は4番目だった。
・菅首相は9月1日、最優先は新型コロナウイルス対策で、今は衆議院を解散できる状況にないと明言。
・総選挙は「10月5日公示、17日投開票」となる公算が高いが流動的。
Japan In-depthでは、「だれが次の自民党総裁にふさわしいか?」と題してアンケートを実施中だ。
政局が日々動く中、アンケート中間報告をまとめた。(2021年8月24日~9月1日14時時点:回答数166件)
まず、「誰が総裁にふさわしいか?」との問いで、一番多かったのは高市早苗前総務相(44%)だった。2番目は、石破茂元幹事長(12.7%)、3番目は菅首相(10.2%)、その後、岸田文雄前政調会長(8.4%)・河野太郎行政改革担当相(8.4%)と続く。安倍晋三前首相は3.6%で5番目、野田聖子幹事長代行は3.0%で6番目立った。総裁選立候補を断念した下村博文政調会長と稲田朋美元防衛相は0.6%にとどまった。
▲図 出典:GoogleForm
▲写真 菅首相(2021年8月20日) 出典:Photo by Carl Court/Getty Images
回答者の約8割が男性、約2割が女性で、60代が一番多く32.5%、次いで50代(22.3%)、40代(16.9%)、70代(12%)、20代(7.8%)、30代(6.0%)だった。
▲図 出典:GoogleForm
高市氏は20代、30代、40代、50代、60代で1番の票を集め、幅広い層から支持を得ている。一番最初に総裁選に名乗りを上げたことと、Japan In-depthの単独インタビューが8月16日(記事は19日)とかなり早い段階で掲載されたことも影響しているものとみられる。
▲図 出典:GoogleForm
菅首相は、石破茂元幹事長の後塵を拝し、河野太郎行革相に猛追されている。下村氏が立候補を取りやめたことで注目を集めている岸田文雄前政調会長は意外にも伸び悩んだ。
▲写真 岸田文雄前政調会長(2020年9月12日) 出典:Photo by Charly Triballeau – Pool/Getty Images
菅首相は9月1日午前、最優先は新型コロナウイルス対策だとして、今は衆議院を解散できる状況ではないという考えを示すと共に、9月17日告示、29日投開票予定の自民党総裁選挙先送りも考えていないと明らかにした。
菅首相は党役員人事で二階幹事長の交代を検討しているとされる。また、内閣改造が行われる可能性もある。菅首相が衆院解散の権限を行使しないとなると、衆院議員の任期満了(10月21日)に伴い、総選挙は「10月5日公示、17日投開票」となる公算が高い。
菅首相が自民党総裁に再選され、総選挙をやれば自民党は議席を減らすかもしれないが、公明党と併せて過半数を割ることはないだろう、と菅氏周辺は楽観視しているのかもしれない。
しかし、新型コロナの感染拡大が続いていることや、地方選で負け続きの菅首相を「総選挙の顔」にすることを不安視する声は自民党内に根強いこともあり、事態は流動的だ。いずれにしても、事前に候補者調整などすることなく、総裁選には複数の立候補による活発な論戦を期待したい。
このアンケートはまだ続いており、また後日結果報告する。
【アンケートの詳細(9月1日14時時点)】
・男性票:132票 女性:34票 計166票
<候補者別得票数>
・もっとも支持率が高いのは高市早苗。73票(全体の44.0%)-2021/9/1現在
男性票 :64票 (男性票のうち48.5%)
女性票:9票 (女性票のうち26.5%)
・石破茂の支持票は21票(全体の12.7%)
男性票:19(男性票のうち14.4%)
女性票:2票(女性票のうち5.9%)
・菅義偉の支持票は17票(10.2%)
男性票:12票(男性票の9.1%)
女性票:5票(女性票の14.7%)
・河野太郎の支持票は14票(全体の8.4%)
男性票:10票(男性票のうち7.6%)
女性票:4票(女性票のうち11.8%)
・岸田文雄の支持票は14票(全体の8.4%)
男性票:6票(男性票の4.5%)
女性票:8票(女性票の23.5%)
・安倍晋三の支持票6票(全体の3.6%)
男性票:6票(男性票の4.5%)
女性票:0票
・野田聖子の支持票は5票(全体の3.0%)
男性票:2票(男性票の1.5%)
女性票:3票(女性票の8.8%)
・武見敬三の支持票は2票(全体の1.2%)
男性票:2票(男性票の5.9%)
女性票:0票
・下村博文の支持票は1票(全体の0.6%)
男性票:0票
女性票:1票(女性票の2.9%)
・稲田朋美の支持票は1票(全体の0.6%)
男性票:1票(男性票の0.8%)
女性票:0票
・青山繫晴の支持票は1票(全体の0.6%)
男性票:1票(男性票の0.8%)
女性票:0票
・村上誠一郎の支持票は1票(全体の0.6%)
男性票:1票(男性票の0.8%)
女性票:0票
・加藤勝信の支持票は0
・小泉進次郎の支持票は0
・該当者なしが10票(全体の6.0%)
男性票:8(男性票の0.6%)
女性票:2(女性票の5.9%)
<世代別投票数、支持者>
・60代の投票数は54票(全体の32.5%)
もっとも支持率が高い候補者は高市早苗
2番目に支持率が高い候補者は石破茂
3番目に支持率が高い候補者は岸田文雄
4番目に支持率が高い候補者は河野太郎
5番目に支持率が高い候補者は菅義偉
・50代の投票数は37票(全体の22.3%)
もっとも支持率が高い候補者は高市早苗
2番目に支持率が高い候補者は安倍晋三、菅義偉、石破茂で同率
3番目に支持率が高い候補者は河野太郎、岸田文雄で同率
・40代の投票数は28票(全体の16.9%)
もっとも支持率が高い候補者は高市早苗
2番目に支持率が高い候補者は石破茂
3番目に支持率が高い候補者は河野太郎
また、該当なしの投票数も同じく3票。
4番目に支持率が高い候補者は菅義偉、岸田文雄で同率
・70代の投票数は20票(全体の12.0%)
もっとも支持率が高い候補者は高市早苗
2番目に支持率が高い候補者は菅義偉
・20代の投票数は13票(全体の7.8%)
もっとも支持率が高い候補者は河野太郎、岸田文雄、高市早苗で同率。
2番目に支持率が高い候補者は菅義偉
3番目に支持率が高い候補者は石破茂
・30代の投票数は10票(全体の6.0%)
もっとも支持率が高い候補者は高市早苗
2番目に支持率が高い候補者は安倍晋三、河野太郎、菅義偉、石破茂で同率。
・80代の投票数は3票(全体の1.8%)
もっとも支持率が高い候補者は菅義偉
・10代の投票数は1票(全体の0.6%)
もっとも支持率が高い候補者は石破茂(1票)
<男女別支持率順位>
・男性からもっとも支持率が高いのは高市早苗(64票)
・男性からの支持率が2番目に高いのは石破茂(19票)
・男性からの支持率が3番目に高いのは菅義偉(12票)
・女性からもっとも支持率が高いのも高市早苗(9票)
・女性からの支持率が2番目に高いのは岸田文雄(8票)
・女性からの支持率が3番目に高いのは菅義偉(5票)
トップ写真:©︎Japan In-depth編集部
あわせて読みたい
この記事を書いた人
安倍宏行ジャーナリスト/元・フジテレビ報道局 解説委員
1955年東京生まれ。ジャーナリスト。慶応義塾大学経済学部、国際大学大学院卒。
1979年日産自動車入社。海外輸出・事業計画等。
1992年フジテレビ入社。総理官邸等政治経済キャップ、NY支局長、経済部長、ニュースジャパンキャスター、解説委員、BSフジプライムニュース解説キャスター。
2013年ウェブメディア“Japan in-depth”創刊。危機管理コンサルタント、ブランディングコンサルタント。