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.政治  投稿日:2021/9/29

高市早苗候補人間力・政策分析 自民党総裁選 その3


西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)

【まとめ】

・声診断では、頭脳明晰、様々な人を巻き込んで組織を引っ張っていく才能に長けているとの結果。

・政策通で議員立法にも慣れている。

・製造強国を目指す中国と「共存共栄」の方策を見出してもらいたい。​

 

高市早苗氏の魅力と能力がついに世の中に知られ始めてしまった。

ある自民党議員(今のところ、態度は明らかにしていない)の事務所に、支持者がこぞって電話してくるそうだが、ほぼ「高市氏を支持してくれ」という声らしい。

ネットの一部支持層の支援なのだろうか?アベノフォンの効果だろうか? 個人的には、メディアでの喋りを見て感動した人が行動を起こしたようにも思っている。私の周りから「高市さんはしっかりしているね」「政策を語れるね」とのコメントがたくさん来たほどだ。

今回は、そんな高市早苗さんの「人間力」と「政策」を分析していきたい。

■ アクティブさと大胆なキャリア

1961年(昭和36年)3月7日生まれ、60歳。血液型A型。父親は自動車会社、母親は奈良県警勤務の共働き。名門奈良県立畝傍高校卒業、神戸大学経営学部経営学科卒業(経営数学専攻)。(財)松下政経塾に。卒塾して、渡米。フェミニストとして有名なパトリシア・シュローダー(アメリカ民主党、下院議員)のもとで活動した。

その後、評論家などを経て、政治家に。無所属で当選後、自由党、新進党などを経て自民党入り。衆議院議員としては8期。通商産業政務次官。経済産業副大臣、内閣府特命担当大臣、総務大臣というキャリアである。2011年(平成23年)、清和政策研究会を離脱し、無派閥に。自民党広報本部長を務めた。

政策についての知識は深く、議員立法を作り上げてしまうだけあって、中国の法律も読んで理解している「政策通」。喋りやプレゼンテーションや受け答えの的確さを含めてとても「有能」と感じた国民も多いだろう。

■ ものすごい努力家の側面

よく知られているエピソードとしては、大学時代、東京の私立大学に通わせてもらえなかったため、そして、一人暮らしを認められなかったため、遠く神戸まで片道何時間もかけて通学していた努力家であること、ヘビメタ好きでバンドに熱中したことが知られている。

その頃を知るコンサルタントの沖見泰一氏に聞いた。

「大学卒業後、防衛ホーム新聞社だったか、記者のようなことをやっていたと記憶しています。私が勤めていた玉置和郎参議院議員(「参院のドン」と呼ばれる実力者 *筆者注)の事務所によく来ていましたよ。とても熱心で、そのころから防衛問題には詳しい。自衛隊に理解があり、国家論を持っていたように思いました」

「とってもかわいかったよ。皆にかわいがわれて、性格も明るく活発な女性だったという記憶があります」と語る。

▲写真 【出典】コンサルタント、沖見泰一氏

また、バイクや漫画が好きなど庶民派な一面も持っており、スキューバダイビング、楽器演奏、野球や武道などの観戦など多彩な趣味をもっている。「国内外の著名な方に、ワインや日本酒など、飲み物の楽しみ方を広く伝えていただくとともに、協会の主旨、活動を知らしめていただく」役割のソムリエ・ドヌールの肩書が自身の自慢のようだ。

場を盛り上げるのは得意ではないが、対応が丁寧で、時には関西弁も出て、気さくな印象である。恋愛は色々と経験豊富だそうで、そのあたりは著書などに詳しい。ちなみに、32歳から眉毛の形が変わらないとも言われている。

■ 声診断で分析してみると強い信念や軸を持っている

今回、人間力分析でおなじみの株式会社ターンアラウンド研究所のコンサルタントの中島由美子氏に声診断をしてもらった。俳優の小栗旬さんなどの声診断で話題の中島さんが、高市さんの声を分析すると

▲図 【出典】中島由美子による声診断結果

「非常に頭脳明晰であり新しい未来を切り開く才能に長けている

「これからの時代のデジタル化に伴う効率化や新しいアイデアや発想を積極的に取り入れていくことができる」とその能力の高さを指摘する。

様々な人を巻き込んで組織を引っ張っていく才能に長けています」と、様々な組織でリーダーシップをふるってきたことを裏付ける。

課題は「これから新しい時代へ移行するうねりの中で、既得権益に巻かれずに強い意思を持つことが必要です」と改革の面では課題がありそう。

中島さんが言うには「国民の命や生活を大事にしていくという軸を政治家としての一番の根底に持ち続けることができるならば、女性初の首相として活躍することと思います」とのことである。

■ 政策通で一気に日本初の女性総理?

サッチャー米国元首相を尊敬し、座右の銘は「高い志 広い眼 深い心」「崇高雄渾」とのこと。前者は高市さんの行動指針のように伺える。後者は気高く尊く雄大で堂々としている様の意味らしいが、国家論を語る政治家を体現しているようにも思える。

□素晴らしい理念と具体的な政策

美しく、強く、成長する国へ」によると、「リスクの最小化」「全世代の安心感創出」に必要な法制度整備を断行するということが国の使命と考えている。政策については、中国の国家情報法を読み込めるほどの政策通。議員立法に慣れているだけあり、法律・政令・省令・告示・通達、中身の条文や規定など具体的な法制についての話ができるところかなりの実務派である。

特に素晴らしいのが、「太陽光パネルの廃棄ルール」について、である。 「太陽光パネルには、鉛やセレンなど有害物質を含む製品があり、適切に処分しないと「土壌汚染」が発生する」など、やっと言及してくれる人がいたという思いだ。

□中国との経済関係は?

しかし、課題がある。やはり、対中国である。対立感が目立つ。国家安全保障はおっしゃる通りなのだが、中国との膨大な経済関係をどうするか。中国市場を考えると、日本企業としては友好関係が続いてもらいたいのが本音である。製造強国を目指す中国と「共存共栄」の方策を見出してもらいたい。​

評価】

①問題解決力: 〇

②信頼できる政府・民主主義: △

③実績から想定される実行可能性: 〇

という評価である。

「国民の生命、国土と資源、国家の主権と名誉を守ること」を究極の使命とする高市さんに期待したい。

トップ写真:総務大臣を拝命し記者会見する高市早苗衆議院議員(2019年9月11日 首相官邸で) 出典:Photo by Tomohiro Ohsumi/Getty Images




この記事を書いた人
西村健人材育成コンサルタント/未来学者

経営コンサルタント/政策アナリスト/社会起業家


NPO法人日本公共利益研究所(JIPII:ジピー)代表、株式会社ターンアラウンド研究所代表取締役社長。


慶應義塾大学院修了後、アクセンチュア株式会社入社。その後、株式会社日本能率協会コンサルティング(JMAC)にて地方自治体の行財政改革、行政評価や人事評価の導入・運用、業務改善を支援。独立後、企業の組織改革、人的資本、人事評価、SDGs、新規事業企画の支援を進めている。


専門は、公共政策、人事評価やリーダーシップ、SDGs。

西村健

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