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.政治  投稿日:2025/3/13

「民意によりそった予算とは何なのか、丁寧な議論を」国民民主党玉木代表


安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)

 

【まとめ】

石破首相、高額療養費の負担上限引き上げを見送り表明。

・自民党は予算案再修正、衆院予算委で再審議。

・玉木氏、民意反映と税制改正再見直しを首相に求める考え。

 

 

石破首相は、2025年度予算案が衆議院を通過した後、高額療養費の負担額上限の2025年8月の引き上げを見送る方針を表明した。自民党は追加の費用が生じるのを踏まえ、新年度予算案を再び修正する方針だ。

 

これを受けて、国民民主党の玉木雄一郎代表は11日の定例会見で、新年度予算案再修正の審議は衆議院に戻すのが筋だ、との考えを強調した。

 

そのうえで、「衆議院で予算を通した3党は、謙虚にもっと民意に寄り添った予算を作れないのか、ぜひもう一回考えてもらいたい」と述べた。

 

また、石破首相が去年の衆院選直後に会見で、「議席を大きく伸ばした党がある。どのような主張に国民が共感し共鳴したのか、よくよく認識しないといけない。取り入れるべきは取り入れるということに躊躇があってはならない」と強調したことに触れ、「当時は(そのようなことを)言っていたが、今、ちっとも聞いてくれませんね。果たして去年の衆議院選挙で示された民意により忠実な予算とは一体何なのか、ぜひ丁寧な議論をもう一回やっていただきたい」と述べ、所得税の課税最低ラインを160万円に引き上げる税制改正関連法案の見直しについても期待感をにじませた。

石破首相は13日午後、衆議院予算委員会で高額療養費制度を巡る方針転換について説明し、質疑を行う。

写真)国民民主党玉木雄一郎代表 2025年3月11日

ⒸJapan In-depth編集部

 

以下、玉木代表とのやりとり:

 

安倍:予算ですけども、先ほど衆院に戻すのが本来の筋なんじゃないかということをおっしゃっています。それが実際にどういうふうにしたら実現できるのかというのがまず一点。それから自公は当然維新と協議をやろうとするでしょうが、これはやっぱり国民民主にとって103万円の壁の引き上げをまた主張できる千載一遇のチャンスでもありますから、そういう意味において立憲も維新もその協議の中に入るというのが本来の筋じゃないかと思うんですけどもどうお考えでしょうか。

 

玉木:具体的にどういう形でやるのか、理論的には予備費で対応したり、あるいは100億円ぐらいですから、補正予算で対応とかという話もできないことはないんでしょうけども、ただやっぱり高額療養費制度の上限を引き上げるという前提で組んだ予算を変えるということですから、やっぱり一回ちゃんと戻せと。これは本来予算に賛成した自民党、公明党、維新の衆議院議員が特に声を上げなきゃだめだと思いますよ。

 

だって同じ政党でちゃんと衆議院はそれで、しかも自公が過半数割れしている衆議院で通してですよ、で、自公が過半数持ってるその参議院でしかも与党からわんわん言われて見直して、で、この賛成した人たちどうすんですかってことですよ。やるんだったらもう一回ちゃんと戻して衆議院からやり直すっていうのが、それは財政民主主義の観点からも筋じゃないですかね。当然、まあそういう形になってくる。

 

それはだから同じ党の中で何やってんだって話を衆から参に、それぞれ3党は言うべきだし、それをちゃんと踏まえてですね。例えば野党もそういったきちんとした手続きをしないと今後参議院の審議についてもね、なかなか応じるのは難しいですよとか、そういうまさに交渉しながら衆議院での充実した審議も獲得していくというのは、特に野党の立憲さんや維新さんの衆参の国対でよくまず話し合って、そういう作戦や戦略を立てていただきたいなと思います。

 

安倍:自公維新の協議の中に国民が入っていくためにはどうしたらいいですか?

玉木:我々いつでも協議をするようやりますけれども、我々から何か求めてやる話でもないかなと思いますけれども、ただよく考えてもらいたいのは昨年の10月の選挙の民意が何だったってことなんですよね。やっぱり我々に期待を寄せていただいて、我々議席を増やしてある意味、今回衆議院で通した3党というのはいずれも衆議院では議席を減らした3党が通した予算なので、果たしてそれは民意を反映したものになっているのかということについては、我々も謙虚にもちろん向き合いますけれども、衆で予算を通した3党についてもぜひここは謙虚にもっと民意に寄り添った予算を作れないのかということについて、ぜひもう一回考えてもらいたいなと思います。

 

安倍:当然、103万円の壁の見直しについても改めて強く求めていくと。

 

玉木:石破総理が選挙直後か、「大きく議席を伸ばされた政党もあります。その政党が主張した政策やそれに託された民意もありますと、それを踏まえてやっていくことが必要だ」みたいな(ことを)当時は言ってたんですよ。今、ちっとも聞いてくれませんね。ですから、そこは原点に戻っていただいてですね。果たして去年の衆議院選挙で示された民意により忠実な予算とは一体何なのか、というところでぜひ丁寧な議論をもう一回やっていただきたいし、我々もそれには建設的に積極的に協力していきたいと思っております。

 

トップ写真)国民民主党玉木雄一郎代表 2025年3月11日

ⒸJapan In-depth編集部




この記事を書いた人
安倍宏行ジャーナリスト/元・フジテレビ報道局 解説委員

1955年東京生まれ。ジャーナリスト。慶応義塾大学経済学部、国際大学大学院卒。

1979年日産自動車入社。海外輸出・事業計画等。

1992年フジテレビ入社。総理官邸等政治経済キャップ、NY支局長、経済部長、ニュースジャパンキャスター、解説委員、BSフジプライムニュース解説キャスター。

2013年ウェブメディア“Japan in-depth”創刊。危機管理コンサルタント、ブランディングコンサルタント。

安倍宏行

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