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.政治  投稿日:2018/3/13

「やらねばならない」次期総裁選 石破茂衆議院議員


細川珠生(政治ジャーナリスト)

Japan In-depth 編集部(大川聖)

「細川珠生のモーニングトーク」2018年3月3日放送

 

【まとめ】

憲法に「侵略の手段としての武力の行使、武力による威嚇は永久にこれを行わないこと」と明記すべき。

・自衛隊は国の主権、独立を守る組織だということを明記すべき。

・次期総裁選に意欲。「逃げることなく国民に真正面から語り掛ける」

 

2月末、自民党の憲法改正推進本部は、憲法9条改正案を党内でとりまとめる上で、各議員に条文案を募り意見を集めた。9条の内容に関しては、第2項の削除、自衛隊の明記等を巡り、党内でも様々な意見が出ている。今後、憲法改正をどのように進めていくべきか、政治ジャーナリストの細川珠生氏衆議院議員で元防衛大臣の石破茂氏に話をきいた。

 

 

■ 憲法9条改正

細川氏は、条文案について石破氏の対応を聞いた。

石破氏は「私は、(平成)24年の憲法改正草案の起草委員であり、9条の担当者だった。その憲法改正草案を掲げて自民党は政権奪還した。それには責任を持たなければならないし、24年の憲法改正草案の通りである。」と述べ、基本的には24年の憲法改正草案を支持する考えを示した。

 

一方で、「9条第1項の『国際紛争』は、国または国に準ずる組織の争いで、テロ集団やテロリストはその範囲外だ。だとすれば、侵略の手段としての武力の行使、武力による威嚇は永久にこれを行わないことということを書くべきというのが持論だ。」と述べた。

 

細川氏は、1項2項を残し、自衛隊を明記することに対する考えを聞いた。石破氏は「(自衛隊は)必要最小限だから戦力ではない。戦力ではないから軍隊ではない。交戦権は、実は日本も使っているが、憲法には認めないとあるので、『自衛行動権』と呼んでいる。」と述べ、自衛隊は軍隊ではなく、交戦権も『自衛行動権』という名で行使している現状を説明した。

 

その上で、「どうしても陸海空軍という言葉が使えないならば、自衛隊は国の主権、独立を守る組織だということを明記すべきだ。」と述べた。

 

その理由として石破氏は、「自衛隊の行動は、自衛権をもって外敵に対して行使される。その時のルールは国際法に基づくものでなければならない。(自衛隊は)国内において並び立つ者のない強力な組織なので、司法、立法、行政によるコントロールをする仕組みを書いておかなければならない。」と述べ、違憲を主張する学者を封じるために自衛隊を明記する意見と自らの考えは全く違うと主張した。

 

次期総裁選

 

細川氏は、9月に予定されている自民党次期総裁選に出馬するのかどうか聞いた。これに対し、石破氏は「(国民に)受けなくても説得していかなければならないことはある。そのことが自分の中で整理できたら長く国会議員をやり、閣僚も党役員をやってきた者として、好むと好まざるとにかかわらず、やらなければならないことはある。」と述べ、総裁選出馬への意欲を示した。

 

石破氏は「憲法改正も、私の意見を正しいが(実現)できないと言う人が多い。しかし、できなければ政治ではない。総理総裁として(実現)できると思ってもらえるような工夫が必要だ。」と述べた。

 

また、「逃げることなく国民に真正面から語り掛けることしかない。逃げることは許されないがそれにふさわしい自分であらねばならない。自分の言葉で語りたい。そうでないと人には響かない。」と述べた。

 

細川氏は「今年は憲法改正について各党で意見をまとめなければならない。なおかつ自民党は総裁選もある。天皇退位の準備、スポーツのイベントも控えている。国民生活が最終的によくなる政策になっていくように国会で頑張ってほしい」と石破氏に期待感を示した。

 

石破氏は「次の世代に責任を持つことが必要だ。今の時代には耳障りのよくないことでも言わなければならない。」と強調した。

 

細川氏はこれに対し「総裁選に出馬する場合には未来を示して、そのための今の選択肢、現状を言うことか重要だ。」と述べ、石破氏も「それが自分の責任である」と認めた。

 

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2018年3月3日放送の要約です)

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

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この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト

1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。

細川珠生

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