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.政治  投稿日:2018/4/26

野党同士協力したい 森友問題 希望の党代表玉木雄一郎衆議院議員


「細川珠生のモーニングトーク」2018年3月31日放送

細川珠生(政治ジャーナリスト)

Japan In-depth編集部(駒ヶ嶺明日美)

【まとめ】

・玉木氏、これから大阪地検特捜部の捜査が本格化するはずとの見通し示す。

・玉木氏、質問を譲り合うなど国会での工夫も必要との考え示す。

・細川氏、真相究明をする目的は、政権打倒ではなく、国民のためであると強調。

 

 

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては写真説明と出典のみ記されていることがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttp://japan-indepth.jp/?p=39622でお読み下さい。】

 

財務省による森友学園への国有地売却に関わる公文書改ざんについて、3月27日に行われた佐川宣寿氏の証人喚問が行われたが、野党は真相を明らかになっていないとの立場を崩していない。この問題について、衆議院議員・希望の党代表 玉木雄一郎氏をゲストに迎え、政治ジャーナリストの細川珠生氏が話を聞いた。

まず細川氏は、大蔵省官僚の経験もある玉木氏に、公文書の改ざんをどう考えるか聞いた。玉木氏は、「公文書はこの国の歴史を書き記した文書で、その改ざんは歴史の改ざんにつながる大問題。後世代に対して責任ある説明ができることが文書を残していく意味であり、それを書き換えるのは、歴史・民主主義に対する冒涜。犯罪であるようなことに手を染めてまで何を隠したかったのか、誰の指示で、なぜ行ったのかを明らかにしなければいけない。」と述べた。

佐川氏の証人喚問については、「誰の指示で何のために、という肝心なところは50回以上証言拒否だった一方で、『総理の指示・官邸の指示は無かった』などと都合のいいところだけ断定口調だった。政治や総理への忖度が問題視されているにも関わらず、喚問自体が忖度に満ち溢れていたという印象。」と非難した。

細川氏は「証人喚問を見ても国民の7割近くが納得をしていないという結果が出ている。麻生財務大臣が財務省のトップとして佐川氏に責任を押し付けるような言い方をしたことに国民が不自然さを感じ、真実が隠されているのではないかと考えるのは当然。」と述べ、真相究明が必要だとの認識を示した。

今後について玉木氏は「これから大阪地検特捜部の捜査が本格化するはずで、会計検査院も再検査すると言っている。昨年、会計検査院が改ざん後の文書しか手に入らない状態で出した報告のなかですら、8億円のゴミの(撤去費用分の)値引きに関して、ゴミの混入率、深さ、単価、のどれも根拠が無いと断定している。捜査に加えて(再)検査でも真実が出てくるのではないか。」と捜査機関、検査機関の今後の動きに期待感を示した。

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写真)建設中の瑞穂の國記念小學院(大阪府豊中市)2017年3月10日

Photo by L26

 

また、「佐川氏は答弁で、理財局の課長クラスと官邸の間でなんらかの答弁“調整”が行われたことはもう認めており、官邸側の今井秘書官にも話を聞くべき。去年の2月17日、総理が『もし私や妻が関係していたら、総理も議員も辞める。』と明言した。あそこまで言ったら、担当の役人は、答弁も合わせなければいけない思うし、総理秘書官としても、『細かいことを言わずに、ないと断言しろ』と大きい指示が来たかもしれない。それに合わせて、『交渉記録も全くありません』と断言口調でやり始めたのが、去年の2月24日だと見ている。」と述べ、今井尚也総理秘書官の証人喚問を求めていく考えを示した。

さらに、玉木氏は、予算は成立したものの、総理が出席する予算委員会の集中審議の開催を衆議院・参議院で求める方針のほか、党首討論の実施にも意欲的な姿勢を見せた。「党首討論では、こういうことが起こる国のあり方、特に、政と官の関係について(討論したい)。私が役所にいたころは、仮におかしな指示が来たら、『法律に触れるような間違ったことはできません』と、はねつけることができた。しかし今は、できない仕組みと雰囲気が霞が関に蔓延している。官僚はそのときの政権に仕えるべきだが、間違った協力をしてはならないし、間違った指示に従ってはならない。」と述べた。

最後に細川氏は「安倍一強体制に相対峙していく中、野党が分割されている状況で、どのような戦略を取っていくのか。」と質問した。

これに対し玉木氏は、「野党同士、協力はいろいろなかたちでしたい。例えば今回のヒアリングも、皆で協力した。しかし、いざ国会の審議に臨むと、(質問時間が)そのときの議席数で配分されるので、短い時間になってしまう。質問を譲り合うなど、国会の現場での工夫も必要なのではないか。」と答えた。

細川氏は「真相究明をする目的は、政権打倒ではなく、国民のためである。」と述べ、野党が党利党略にこだわらず、国民の為に真相究明に向けて協力していく姿勢が重要だとの考えを強調した。

 

 

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2018年3月31日放送の要約です)

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php

細川珠生公式HP http://hosokawatamao.com/

細川珠生ブログ  http://tamao-hosokawa.kireiblog.excite.co.jp/

トップ画像:©Japan In-depth編集部


この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト

1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。

細川珠生

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