「英、日本との関係は良好」大野敬太郎衆議院議員
「細川珠生のモーニングトーク」2019年3月30日放送
細川珠生(政治ジャーナリスト)
Japan In-depth 編集部(佐田真衣)
【まとめ】
・貧富の差が激しくなっているのが世界の現状。
・イギリスのEU離脱による混乱への対応を早急に決めるべき。
・イギリスのEU離脱後も両国の関係を維持し、発展させていくのが日本のスタンス。
イギリスのEU離脱について今年の3月という期限が示されてきたが、協議の末、少し延びることとなった。今回は自民党衆議院議員で元防衛大臣政務官、現在は自民党の外交部会長代理を務める大野敬太郎氏をゲストに招き、イギリスのEU離脱問題について政治ジャーナリストの細川珠生が話を聞いた。
まず初めに細川氏は3年前のEU離脱に関する国民投票の際に離脱支持派がわずかに上回ったことについて触れた上で、イギリスのEU離脱期限である4月12日までの今後の推移について大野氏に聞いた。大野氏は「(イギリスのEU離脱問題によって生じた)混乱を収拾して、どうするのかをなるべく決めていかねばならない。」と述べ、グローバル化が進んでいる中で、将来を予見できない状況というのは金融や雇用といったあらゆる部門にとって喜ばしいことではなく、早急に決めるべきであるとの考えを示した。
次に細川氏は僅差とはいえ、国民投票によりイギリスがEUを離脱することが決まった背景を聞いた。大野氏は「グローバル化が進むと当然、一国内のみならず、自由貿易なので、競争が生まれて生産性が上がり、会社が強くなり成長する。富めるものがますます富み、富まざる者がますます富まざる状態になる。こういう現象が世界で徐々に起きつつある。」と述べ、グローバル化による貧富の差拡大に対するイギリス国民の不満によるものだとの考えを示した。
また、諸外国では格差が日本に比べて顕著であり、自国主義の動きが活発化しており、「戦後築いてきたリベラル秩序の安定が揺らいできている。」と述べた。
次に細川氏はイギリスのEU離脱の影響について聞いた。大野氏は、「短期的には混乱が生じる。イギリスにとっての最大の貿易相手国というのはEUなのでかなりのインパクトがある。具体的には関税が跳ね上がり、人の行き来も混乱するだろう。」と述べた。一方で合意ある離脱に関しては比較的楽観的であると述べ、世界経済や金融の側面で多少の影響があるだろうが、それほど大きなインパクトはないとの考えを示した。
最後に細川氏は安全保障の面についての話を聞いた。大野氏は「EUはロシアを脅威と捉えて、自分たちでしっかりと守っていこうとの考えがあります。イギリスはイギリスで独自の防衛力を持つことになると思うが、この関係が分断されるということではないので安全保障上ネガティブなインパクトを与えるかと言うとそれは無いと思う。」と述べた。
日本との関係性については、自由で開かられたインド大西洋というコンセプトを世界に打ち出している日本にとって、イギリスは、過去最高レベルで重要な国となっており、(安全保障の交流という面において)これまでにないくらい関係が良好になっている。」と述べた。
(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2019年3月30日放送の要約です。)
「細川珠生のモーニングトーク」
ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分〜7時20分
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この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト
1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。