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.政治  投稿日:2020/5/20

「緊急事態宣言、早期解除できる」柿沢未途衆議院議員


細川珠生(政治ジャーナリスト)

「細川珠生のモーニングトーク」2020年5月9日放送

Japan In-depth編集部(外園桃子)

【まとめ】

緊急事態宣言、「実効再生産数」の低数値から早まると予測。

・グローバルに依拠しない等身大の「地産地消」、地方分権を進めるべき。

・「三密の国会」オンラインへの変革を議論すべき。

 

今回のゲストは、衆議院議員の柿沢未途氏新型コロナウイルスの感染拡大防止のための緊急事態宣言延長の影響と課題について、政治ジャーナリストの細川珠生が話を聞いた。

5月6日までとされていた緊急事態宣言を5月31日までに延長すると安倍内閣は5月4日に発表した。現在の新型コロナウイルス感染状況をどのように見ているか細川氏が聞くと、柿沢氏は「感染経路が不透明な点などはあるものの、日本は欧米と比較すると感染規模・ペースという点で抑制できている」と述べた。「日本人の民度の高さによって感染対策が自主的に行われた結果が現れているのではないか。諸外国に比べて悪くはない状況だ」と柿沢氏は政府の対応を評価した。

続いて細川氏は、急事態宣言解除に必要な条件は何か聞いた。柿沢氏は「実効再生産数」を挙げ、「すでに緊急事態宣言の解除ができる状態は整っているのではないだろうか」と述べた。実効再生産数は一人が何人に感染させているかを示す数値である。「緊急事態宣言が出された4月7日時点で実効再生産数は1.7と言われていた。現在都内の実効再生産数は0.5まで低下している。欧米においては経済活動を再開していてもおかしくない状況。総理は5/14まで解除条件を示すと言っているが、早期に緊急事態宣言解除を実現できるのではないか」と柿沢氏は述べた。

緊急事態宣言の延長により3月から続く学校の休校延長も懸念されている。家庭も学校も大変な状況とはいえ、子供を媒介とした感染拡大などの心配がある。このような中、学校における出口戦略はどうなると考えるのか、今回は東京に限定して、その対策を細川氏が聞いた。

まず柿沢氏は「オンライン授業の体制が整っていないために対応ができないということが最大の問題だった」と述べた。「登校して今まで通りの授業を行うことも大事だが、オンライン教育のあり方を整えていくべきだ。これはアフターコロナの学校のあり方にも繋がる。全員が学校に集まって授業を受けるということに子供たちは適応できているものの、教職員・教育委員会などがその仕組みが整えられていないのが現状。実施を試みていた分散登校などと共にオンライン授業の環境を整えていくことが重要だ」と述べた。

これを機に「新たな生活様式」が提案された。細川氏は、人口密度の高い首都圏という地域性において、アフターコロナに向けた生活様式の変革はどう進めていくべきか尋ねた。柿沢氏は「日本社会のあり方を見直す機会である。」として今回の状況を次のように分析した。「グローバルなサプライチェーンが鎖国を余儀なくされた中で、農産物やエネルギー資源が不足するというリスクを意識させられた機会であった。」今後の生活のあり方については「本来の等身大の生活の現場を地産地消に変えていくように、地方に分散した生活拠点を築いていくことが国全体で広がっていくべき。」と自身の考えを述べた。また地方の知事の活躍にも触れ、「生活の現場に近い地方の政治家が注目されていたことは必然的であり、その地域に根ざした政策を行うために地方分権を進めていくべき。」と述べた。

最後に細川氏は、「三密の国会」についても、変えていくべきだと指摘し、今後の新しい国会のあり方について尋ねた。柿沢氏は「もはや、(現在のコロナの)状況の中で、面と向き合いながら国会で議論するべきではない」と賛同した。「例えば、株主総会においては議決権行使をバーチャルで行えるようになっている。地方議会においてもオンラインでの議会を総務省が推奨している」と現状の国会のあり方に疑問を投げかけた。

さらに「憲法に明記されている『出席』の概念を変えるなど、国民に求めている自粛を国会でも実践していくべきなのではないか。与野党ともに低調な議論であるため、今後この点について議論が活発化することを期待したい」と述べた。

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2020年5月9日放送の要約です)

 

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php

細川珠生公式HP http://www.cheering.net/tamao/#

細川珠生ブログ  http://tamao-hosokawa.kireiblog.excite.co.jp/

トップ写真:©柿沢未途事務所


この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト

1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。

細川珠生

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