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.社会  投稿日:2021/3/16

感染症対策、基本に立ち返ろう


安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)

【まとめ】

・今季はインフル患者激減、マスクなどで感染防いだため。

・新型コロナ感染症はなぜ減らないのか。意外と手指消毒など徹底していない可能性あり。

手洗い・消毒は爪先迄。マスクはゴム紐から外す等基本動作徹底を。

 

今年はインフルエンザの患者が激減しているという。厚生労働省によると、今季(昨年秋から3月7日まで)の患者は、推計約14000人だったという。昨季は728万5000人だったというから、その0.0019%しかかかっていないことになる。驚異的な少なさだ。

国民のほとんどがマスクを着けて外出し、手洗い・消毒を徹底したことによると医者はみている。

では、なぜ新型コロナウイルスの感染者は減らないのか?同じウイルスならマスクと手指消毒で防げないのか?

ウイルスの感染力や無症状者の比率などに違いがあるというが、詳しくはまだ分かっていない。いずれにしても相手はウイルスだ。体内への侵入を防ぐことがもっとも重要な対策で有ることには違いない。

しかし、実際私たちはどこまでその対策をとっているか、と問われると、意外と漏れがあったりするのではないか。

 手洗いの仕方

▲写真 手洗い イメージ 出典:Buddhika Weerasinghe/Getty Images

まず、手洗いだ。実際に何かに触ったとき、石けんを付けて手を洗っているだろうか?手指消毒用のアルコールが至る所に設置してある今、意外とトイレで手を洗わないで、出口のアルコールを手のひらに拭きかけてお茶をにごしていないだろうか?

また手の洗い方も、石けんを付けて、手のひら、手の甲、指の間、それに爪先まで時間をかけて洗っているかと問われると、はい、と答えられる人は少ないだろう。

実際に流水でウイルスを洗い流すためには30秒かけねばならない、と言われているが、30秒かけている人は滅多にいないと思う。とにかく、なるべく長いこと手を水にさらしたい。

アルコール手指消毒用スプレーも、手のひらにシュッと吹きかけて「はいお終い!」の人がほとんどだろう。爪の間も消毒出来るように、アルコール液はたっぷり手のひらにためて指先を浸そう。爪の間にウイルスは潜んでいるという。

▲写真 手指消毒用のアルコールを手に吹きかける人 出典:Christopher Jue/Getty Images

 電車のつり革など公共の場

公共の場所で何かに触ったときも必ず手を洗うことだ。かつてSARSが流行したとき、番組に招いた医者は「電車のつり革は普段絶対つかまらない」と断言したので驚いた。

曰く、「あんなきたないものはない。便座の方がよっぽどきれいだ。お尻は普段布で覆われてるからね」

で、私は聞いてみた。「では電車が揺れてこけそうになったらどうするのですか?」と。

彼は即答した。

「その時はつり革の輪っかの外側を掴みます」

徹底している。

また、こうも言っていた。

「つり革よりも危険なのは、ドアや座席や荷物置きのところの金属のバーです。ウイルスはああいうツルツルしているところに長時間残っているんです」

そんな話を聞いたものだから、電車の中でなかなかつり革やバーに触れなくなってしまった。とはいえ、揺れたら掴まらないわけにはいかないのだが・・・

▲写真 つり革 イメージ 出典:Iain Masterton/Construction Photography/Avalon/Getty Images

公共の場には多くの人が触れるものはごまんとある。ドアノブ、エレベーターやATMのボタン、クレジットカード端末の暗証ボタン、スーパーやコンビニの買い物カゴ、オフィスビルの入館用紙に記入する備え付けのボールペンなどなど・・・枚挙に暇が無い。私たちは日中、ありとあらゆる物に触れている。

とにもかくにも、公共の場でウイルスが付着している可能性がある物に触れたら、すぐその後、手を洗うか消毒するしかない。

■ マスクの外し方

そして、これも守られていないと思うのは、マスクの表面を触るくせだ。話をしている間にマスクが下がってくるので、表面の真ん中をつまんで上に引っ張り上げる人の多いこと多いこと。

これも去年初めから言われていたが、ウイルスはマスクの表面に付着している。そこに触れるのは、感染リスクを自ら増やしているようなものだ。

医師は耳かけのゴム紐からマスクを外し、表面を触らないようにして廃棄するという。ゴミ箱に捨てるにしても誰が触るか分からないから本当はビニール袋などに入れてしっかり縛ってから廃棄するのが正しい捨て方だ。どれだけの人がそこまで気を遣っているかだ。

また、手で顔を触らないことも重要だと医師は言っている。確かに、ウイルスがついているかも知れない手で目をこすったり、鼻くそをほじるのは危険だ。

ウイルスという目に見えない敵と戦うには、徹底的にやつらを排除するしかない。

最後にもう一つ。カラオケでの感染はマイクについた飛沫だと思っている人が多いと思うが、ではテーブルの上のおつまみや飲み物はどうだろう?歌っていれば当然飛沫はそれにもまんべんなく降りかかる。それを口に入れれば、ウイルスは確実に体内に入る。

どうだろう。意外とシンプルな方法で感染の確率は減らすことが出来るのだが、どれだけ守っている人がいるだろうか。

ワクチンは今すぐには打てない。

ならどうする?

できることの実践あるのみ、だ。

トップ写真:マスクをする歩行者 イメージ 出典:Yuichi Yamazaki/Getty Images




この記事を書いた人
安倍宏行ジャーナリスト/元・フジテレビ報道局 解説委員

1955年東京生まれ。ジャーナリスト、産業能率大学客員教授。慶応義塾大学経済学部、国際大学大学院卒。


1979年日産自動車入社。海外輸出・事業計画等。


1992年フジテレビ入社。総理官邸等政治経済キャップ、NY支局長、経済部長、ニュースジャパンキャスター、解説委員、BSフジプライムニュース解説キャスター。


2013年ウェブメディア“Japan in-depth”創刊。危機管理コンサルタント、ブランディングコンサルタント。

安倍宏行

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