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.社会  投稿日:2021/6/29

ワクチン2回目を接種完了せり


安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)

【まとめ】

・筆者は2回目の新型コロナワクチン接種を終えた。

・大規模接種センタースタッフの作業スピードが格段にアップしていた。

・手入力が多く、マイナンバーカードの普及が急がれる。

 

東京都民である筆者は、昨日6月28日、千代田区大手町の大規模接種センター(以下、センター)にて2回目の新型コロナワクチン接種を終えた。1回目は5月24日、センターが開所下初日の午前中に受けた。その5週間後に2回目となったということだ。センターのワクチンはモデルナ製であり、間3週間のファイザーのワクチンと違い、間を1カ月空けなくてはいけない。ちなみに筆者は副反応はほとんどなかった。

 

写真)ワクチン接種を待つ人の列
ⓒJapan In-depth編集部

 

 スタッフの習熟度が格段にアップ 

まず、2回目の接種で印象的だったのは、センターのスタッフの習熟度が格段にアップしていたことだ。1回目はオープン初日ということもあり、臨時に雇用されたと思われるスタッフは、明らかに戸惑っていた。一番最初の本人確認の段階で配備されたタブレットの使い方がよく分からなかったスタッフは、隣に立っている担当者(日本旅行の人だった)に指導を仰ぎながら、なんとか手入力していた。まさに手探り状態だったわけだ。

それから1カ月たち、人間というものは慣れるものだなぁ、と感心してしまった。スタッフの人達の入力作業のスピードはおそらく5倍くらいにアップしていたし、動線の確保と案内するスタッフも手慣れたもので、あたふたする高齢者は全くいない。案内係が要所要所で「こちらにどうぞ」、「〇〇色の線にそって進んで下さい」(動線は手渡されるファイルの色と同じ色で分けられている)、「こちらの椅子に座ってお待ち下さい」、と実にきめ細かくガイドしてくれる。それにしても約5メートルおきに係が配備されており、これはちょっと過剰ではないか、と苦笑してしまった。こうした人達を雇用するにも結構お金がかかるだろうに。。。

それはともかく、全ての作業がスピードアップしているのは間違いない。センター到着から接種後の経過観察(筆者は15分)を入れても45分で終わった。

 

■ 全てがアナログ

一方、予診票は事前に手入力して持って行かねばならないし、ワクチン予防接種済証(シール)は台帳に貼って手渡される。「大切に保管して下さい」と係の人に言われたが、絶対無くす高齢者はいると思う。

 

写真)大規模接種センターの注意書き
ⓒJapan In-depth編集部

 

とにかく何でも手作業で、多くの情報はデジタル化されていない。2021年の今、余りにアナログなシステムに呆れるばかりだ。それもこれも国民一人一人がマイナンバーカードを持っていないからだ。カードに健康情報が記録されていれば、問診で既往症を聞く必要も無いし、どんな薬を飲んでいるかも分かる。そもそもワクチンの接種券など郵送しなくてもいい訳だ。ワクチンを打ったかどうかの管理も格段に楽になるだろう。

第1回IT戦略会議が開催されたのは2000年。いまから20年以上も前だが、我が国が目指す「電子政府」と現状はほど遠い。マイナポイントキャンペーンの効果もむなしく、マイナンバーカードの普及率は未だ約3割に止まっている。

こうした状態を招いているのはもちろん政府の政策に問題もあろうが、私たちの側にも責任無しとは言えない。マイナンバーで国に管理されたくない、といった意識がカード申請のブレーキになっているのは否めない。しかし、それによって私たちが被る不利益と、マイナンバーによる利益を天秤にかけて判断する姿勢こそ、私たちに求められているのではないだろうか。

新型コロナワクチンを打たないという人は筆者の周りにもいる。もちろん、打つ、打たないは個人の自由だが、打った場合と打たない場合の、リスクとメリットを自分でしっかり判断することが重要だ。心配な人はかかりつけ医に相談し、じっくり話を聞くといい。「なんとなく・・・」と言うことではなく、科学的な知見も含め、しっかり情報と向き合いたい。SNSなどであらゆるニュースが飛び込んでくる時代だからこと、情報との向き合い方が一層重要になっている気がしている。

大切なことは、自分の命を守り、そして自分の大切な人の命も守ることである。その為に何をしたらいいのか、新型コロナはそんな根源的な問いを私たちに突きつけている。

 

トップ写真)千代田区大手町の大規模接種センター
ⓒJapan In-depth編集部




この記事を書いた人
安倍宏行ジャーナリスト/元・フジテレビ報道局 解説委員

1955年東京生まれ。ジャーナリスト。慶応義塾大学経済学部、国際大学大学院卒。

1979年日産自動車入社。海外輸出・事業計画等。

1992年フジテレビ入社。総理官邸等政治経済キャップ、NY支局長、経済部長、ニュースジャパンキャスター、解説委員、BSフジプライムニュース解説キャスター。

2013年ウェブメディア“Japan in-depth”創刊。危機管理コンサルタント、ブランディングコンサルタント。

安倍宏行

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