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.政治  投稿日:2021/11/29

立憲民主党代表選【政策・人間力分析】その4 小川淳也さん


西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)

【まとめ】

・「将来的には北欧型に近い社会に」が持論。経済・外交でもリベラルなスタンスが垣間見られる。

・声診断では、日本を思う気持ち、慈愛が強く濃いことが特徴で、課題は「情報に影響されず、常に本質に立ち返る」こと。

・「無私・無欲の姿勢」にカリスマ性を感じる。

 

立憲民主党の代表選が行われている。第4回目は小川淳也さん。香川1区選出の衆議院議員である。

「なぜ君は総理大臣になれないのか」という映画で話題になったことやその中身についてはここでは触れないが、キャラクターが際立つ人物である。ただし、彼の本質は理念にあるのだ。

小川さんは「政治家と国民が同じ目線で不安や悩みを分かち合いながら、社会の持続可能性を取り戻すための政治。対話からうまれる政治。勝った51が負けた49の願いをも背負う政治」と理想の政治を掲げる。価値観や利害の闘争である政治に問題意識を投げかける。しかも、「信頼に足る政治を国民と一緒に、つくっていきたい」という小川さん。旧来の政治家とは一線を画した「新時代の政治家」といっても過言ではない。

 バリバリのエリート

1971年4月18日香川県生まれ、美容師の家に生まれる。高松市立香東中学校、県立高松高校へと進学。高校では野球に熱心にプレーしていた。高校卒業後、上京して東京大学へ進学。様々なアルバイトをしたそう。東京大学法学部卒業を卒業し、自治省に入省。沖縄県総務部地方課、地域総合整備財団(出向)、自治省税務局市町村税課などに勤務。一般財団法人自治体国際化協会(CLAIR)のロンドン事務所に赴任。2000年に帰国し、金融庁に。金融庁では総務企画局信用課長補佐、その後、愛知県春日井市企画調整部長を務めた。2003年7月に退職。同年の衆議院議員選挙に立候補をしたが、落選、浪人期間を経て、2005年9月に当選し、衆議院議員に。総務大臣政務官(鳩山内閣)、総務大臣政務官(菅内閣)などを務めた。血液型O型。高校での同級生と結婚し、2人の子供がいる。好きな言葉は「人に歴史あり」。

 北欧型を目指す政策

政策スタンスについては、東大・朝日新聞の調査結果を見てみよう。

経済で見ると

・小さな政府には反対

・公共事業による雇用確保はどちらともいえない

・景気対策のために財政出動を行うべきにどちらかというと賛成

・資産家や法人への税引き上げにどちらかというと賛成

外交で見ると

・防衛力強化はどちらともいえない

・日本にとって中国は脅威・パートナーどちらともいえない

・沖縄県の普天間基地の辺野古移設はどちらかというと反対

・日米安保体制の強化はどちらかというと慎重に

・憲法改正についてはどちらかというと必要ない

「将来的には北欧型に近い社会に」が持論であり、経済面はもちろん、外交面でもリベラルなスタンスが垣間見られる。

具体的な政策であるが、今回政策集を作成して発表している。「人々の暮らしの基盤の再建、生活保障に焦点を当てる」として、

・抜本的な子育て支援の拡充

・教育費の無償化

・医療・介護・福祉等における自己負担の引き下げ・無償化等(ベーシックニーズに対応するベーシック サービスの拡充)

これによって「安心で格差のない社会」を築き上げようと掲げている。全世代型基礎収入(ベーシックインカム)についても提案しており、まずは基礎年金の最低保証額の導入から検討を進めていくことを明らかにしている。

 声診断でみる小川さん

一般社団法人日本声診断協会、株式会社ターンアラウンド研究所のコンサルタントの中島由美子氏に今回も登場いただいた。

中島さんによる声診断結果では、「志を持って世のため、人にために政治を改革し、国民のために尽くすことを使命として政治家になったことが窺えます」とのこと。日本を思う気持ち、慈愛が強く濃いことも特徴だそう。課題は「さまざまな情報に影響されず、常に本質に立ち返る」ことと中島さんは指摘します。

▲画像 【出典】中島由美子氏

 カリスマ?

「万事において社会の持続可能性が喪失しており、これが人々の将来不安の温床の根源である」という時代認識、総務省の官僚・春日井市役所職員として現場でアグレッシブに仕事をしてきた一方、冷静に「政策検証」の必要性を説く政治家である。

特に、「厳しい時代だからこそ、政治家自らが無私・無欲の姿勢で政治に取り組まなければならない」という小川さん。昭和の政治のように権力を私物化し、選挙区にパイを分配することは難しい時代という認識のもとではあるが、彼の心には「無私・無欲の姿勢」がベースにあるのだろう。それが彼のキャラクターであろうが、カリスマ性を感じる。

小川さんのようなリーダーになることが日本のためになるのは間違いない。総理になれない男が総理になる日も来るかもしれない。小川さんに期待したい。

トップ写真:立憲民主党小川淳也衆議院議員 出典:@junyaog




この記事を書いた人
西村健人材育成コンサルタント/未来学者

NPO法人日本公共利益研究所(JIPII:ジピー)代表、ターンアラウンド研究所共同代表・人財育成コンサルタント、事業創造大学院大学国際公共政策研究所研究員・ディレクターなど。


慶應義塾大学院修了後、アクセンチュア株式会社入社。その後、株式会社日本能率協会コンサルティング(JMAC)にて地方自治体の行財政改革、行政評価や人事評価の導入・運用、業務改善を支援。独立後、組織改革、人材育成コンサルティング、政策分析、メディア企画、ソーシャル・イノベーション活動を進めている。


専門は、公共政策と社会心理。近年は、中国の先端技術、世界のスマートシティ、人工知能などテクノロジーと社会への影響、個人情報保護と民主主義の在り方、企業の利益相反、健康医療・福祉政策などをテーマに研究や執筆を進めている。

西村健

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