[山田厚俊]バイク違法マフラー規制強化に疑問〜違法マフラーを増やすだけの過度の規制強化に歯止めを
山田厚俊(ジャーナリスト)
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バイクの違法マフラー規制強化に疑問ーー。
2月27日、「日本維新の会オートバイ議員連盟」(以下、オートバイ議連)の総会が開かれた。議題は2010年4月から導入された「後付消音機事前承認制度」に、新制度が検討されていることだという。
この制度は、バイク騒音の対策として導入されたもので、後付けのマフラーについて一定の速度で走行した際、基準内の音量かどうかを試験し、パスしたマフラーに識別番号を付けるというもの。このことによって、認証を受けていない違法マフラーの取り締まりが促進できるというものだ。
一般社団法人全国二輪車用品連合会(JMCA)によると、会員各社で1000件以上の認証登録を行い、これまで約13万本以上の認証マフラーを市場に出してきた。JMCA側は「認証試験はサーキットを借り切りテストを行っている」と言う。
しかし、規制に関連する環境省、国交省、警察庁は制度導入前に効果を訴えていた違法マフラーの取り締まりを積極的に行うことはなく、さらなる規制強化に繋がる新試験の導入に乗り出そうとしているという。
そのため、実態を無視した過度な規制強化に歯止めをかけるため、オートバイ議連が今回の総会にJMCAの役員らとともに、環境省、国交省、警察庁、さらに経産省の担当者に参加を呼びかけ、意見交換をしたのだ。
オートバイ議連の会長を務める松浪健太議員は「単なる騒音取り締まりでなく、各省庁が連携し、違法マフラーの取り締まりをしないことには問題は解決しない。実態をきちんと調査し、理解してほしい」と語る。
さらに、新試験はコストが大幅に上がるだけの業者いじめの制度で、導入すれば、試験を受けない違法マフラーが増えるだけだと言う。各省庁は連携して実態の調査や取り締まりをするべきだと訴えた。
制度に苦しむ業界、横の連携がなく実態を把握していない省庁を相手に存在感を示したオートバイ議連。久々に“野党の存在感”を垣間見た気がした。
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